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「えっ、あっ、その。
教えてくださって、ありがとう、ゴザイマス」
ダッシュで逃げ出したら、夜城課長とぶつかった。
「なに、隠してるの?」
「なにって、キスマーク……!」
あなたが、こんなもの付けなければ、こんなに恥ずかしい思いをしないで済んだのに……!
「ああ。
わざわざ、目立つところに付けたの。
美卯は僕の女だって皆に教えないといけないだろ?」
「……」
ニヤリ、と課長の右の口端が持ち上がる。
ええ、そうですね。
社内はその噂で持ちきりですよ。
一緒に出社してきて、さらに私が着ているのは課長の服で。
「美卯は絶対に、誰にも渡さないからな」
人前だというのに、ちゅっと軽く、課長の唇が私の唇に触れる。
もしかして私、とんでもなく独占欲の強い人に捕まった?
なんか、先行きがちょっぴり不安です……。
【終】
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