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中途半端なわたし
あなたの人生何回目?
そんな言葉が聞こえてくる。アニメのタイムリープやドラマから、そういうのが流行っているらしい。
*
「きらり、生きて戻ってくるよね?」
「なに言ってるの!!アタシは悪くないんだからちょっと、肩を押しただけで、階段から落ちたのはアイツよ!!」
わたしの机の上にゆりの花の花瓶を置きながら、真千加が、声を震わせている。
(手伸ばしたのに、助けてくれなかったね)
有加子の言いなりだから仕方ないって、そんな遠慮がちに囁く声がする。真千加は、本当にわたしを待ってくれているんじゃない。
わたしが戻ってこれなかったら、真千加が有加子のいいように動かされる役目になるから、それをいじめと呼ばずしてなんと言うのか?頼りの先生たちは見て見ぬふりをし続け、わたしを案じているけど、要は発覚をおそれているだけ。
(新しい新人さん?)
変わらぬ教室を浮上していたら、先輩幽霊さんに声をかけられた。
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