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「あー…癒される。エエ匂い…」
「やだ、そんなとこいつまでも嗅がないで。汗臭いわ。」
…夏から秋に変わリ始めた、まだ少し暖かな休日の昼下がり。
ベッドの中で裸の絢音を抱きしめ、長い黒髪の奥にある白く細い頸に鼻を埋めて匂いを堪能していたら、耳が真っ赤に染まるので、益々可愛く愛しく思えて、藤次は更に背後から裸の身体を彼女に押し付け腕の中へと導く。
「…ねぇ、そろそろお昼よ?流石にやめてご飯食べましょ?お休みとは言え、昨晩からこんなカッコでその…シてばっかりじゃ、体に悪いわ。風邪ひいちゃう。」
「何が悪いや。性行為はれっきとした人間の本能や。寧ろ適度な運動になって、ダイエットにもなるえ?お前最近、お腹周り気にしとるやろ?…まあ、肥えて子豚みたくなっても、遠慮なく抱くけどな。」
「またそうやって屁理屈。とにかく、もうお終い!離して………って……」
カアッと、顔が真っ赤に染まる絢音。
なぜなら…
「と、藤次さん。あの、その…当たって…」
「んー…まあ、こうもエエ匂いずっと嗅いどって密着しとったら、本能的に…なあ…」
口元に妖しげな笑みを浮かべながら、藤次は恥じらう絢音の身体を組み敷きまたがる。
「ふふっ。エエ景色。もう今日は人間やめよ。そもそも、お前やないと俺勃たん身体やし、一週間我慢に我慢重ねて仕事に励んだご褒美、たっぷりもらうえ?愛してる…」
「…嫌よ。それに、そんなに求められたら、お休み終わったら離れたくなくなるじゃない。憎い人……」
潤んだ瞳で睨みつけながらも、首にしなやかな腕を回して甘えてくる妻の頭を、藤次は優しく撫でる。
「ほんなら、6回目…優しいしたるから、名前の通り、可愛い声ぎょうさん聞かせてや…絢音。」
「……うん。愛してる……」
そうして甘ったるいキスを交わして、カーテンから降り注ぐ陽だまりの下で、時を忘れて愛を交わし合った、藤次と絢音なのでした❤︎
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