「人間」

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さてさて、これまでの話人間を読んでくださり ありがとうございます。 皆様の中には、両親は喧嘩ばかりをしていたのに何故、兄弟が増えたんだ?っと疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。 其れには、深い理由が御座います。 あれは、未だ。私が小学六年生の頃です… 嫌がらせもあり中々と堪え難い日々を送っていました。 学校を休みがちになっていたのもあり、その日は家で休んでいました。 ソファに座りながら母に目をやれば母はずっと 携帯から目を離す事なく、ひたすら文字を打っていました、子供ながら胸騒ぎと。 もしかしたら、母は父に言えない様な秘密があるのではないかとヒヤヒヤしていました。 あることを機に、私の胸騒ぎは的中することになります。 其れは、母からご飯を食べに行こうと言われた日の事、私自身。本来は父も含めていきたいと思っていたのですが、あの頃の私は母に口答えをする事が出来ず。 妹・母・私・でご飯に行くことになりました。 丁度、その日は弟が友人の家に遊びに行っており 三人での外出になりました。 ですが、到着して直ぐに違和感が。 母は私達の知らない男性に声を掛けました、 体格の良い、見たことも話したこともない男性。 意味もわからないまま、何故か四人でご飯を食べる事になりました。 父以外の人を交えてご飯を食べる事に、気持ちの悪さと、不快感で吐き気がしました。 そして、幼いながら見ていて思っていたのは 母は父には内緒でこの男と会ったり、連絡を取り合ってると、私は踏んでいました。 母からも、今日の事は内緒ねっと言われていましたから。 ですが…内緒ね、で罷り通るほど世の中出来ていません。 あの男は、私達が暮らすアパートに父が居ない日を見計らってくる様になりました。 そこで、話したりして思った事。 この男は、沸点がかなり低い…直ぐに手を出そうとする仕草を出す。 気遣いができてる様で、周りが見えていない。 父とは真反対の人間でした。 母が、この男と浮気をしてるのは明らかでした。 私自身、父に打ち明けてやると思っていた、 ある日…事件は起きました。 私が体調崩し、家で休んでいると。 ドアをノックする音が聞こえ…覗き穴を確認せずに私は開けてしまいました。 いきなり、怒鳴る様に上がり込んできたのは、    「あの男」です ヒヤッと背筋が凍る様な思いでした。 母に対して、優しい時もあれば時には酷く怒鳴る時を見たことがあり。 玄関から上がった男は暴れ回り、母に怒鳴りながら物を壊したりしました。 私は恐ろしく、泣きながら土下座をして母を解放してほしいと泣いて謝りました。 当時、妹も休んでいて家に居て。 妹は私とは違い、気が強い性格で… 男に対して、「出て行け、お前の家じゃない」と 叫んでいましたが、男は気に食わなかったのか 妹に手を挙げようとした所、私が… 「謝るから、妹を許してほしい。」と泣きながら又 土下座をしました。 そうして、時間がどれだけ経ったでしょうか。 気が済んだのか、男は出ていきました。 その後、父が仕事から帰宅をし、家の悲惨な状況を目の当たりし、理由を聞いて警察に通報しました。 母は警察の方に事情を聞かれ、父と母は二人で話し合いが始まりました。 その後、母の体調がおかしくなり検査をした所 お腹に赤ちゃんがいる事が分かりました。 父は母とは喧嘩をよくしていたので、赤ちゃんが出来たりするのは考えにくく、父もあり得ないと 私に言っていました。 だとしたら、考えられるのは一つ。 新しい弟妹になる子は「あの男」の子。 父は、頭を抱えながら悩みました。 「あの男」は、警察に逮捕されていて接近禁止が 出ているので、金輪際内の家族には近づく事はできないが、母とはどうするか。 お腹の子はどうするか…父は悩みました。 そうして、下した父の決断は      「母を心から許す事は難しいが、 お腹の子には罪はない。母にはこれから変わってもらって、母親として生きてほしい。 お腹の子は俺の子だ」 そう言って、父は顔を上げて前を向いたのです。 私には父の生き方は真似はできません。 一度の過ちは、消したり変えたりする事は決して 出来ないから。 私は私で、あの日土下座して泣いた事。 男性の恐怖はトラウマです。 あれから、何年だと経つ今は普通に男性とも 話すこともできますが…あの当時は男性は、 私にとって恐怖の対象で、父以外の男性は怖くて仕方がありませんでした。 それだけの事を母はしたのです。 父の様に、受け入れる事は私には出来ない だから、弟の事も未だ許せないでいる。 過去に私が「人間なんて簡単に変われない」と 父に言ったように。
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