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どうして?
響さんとは恋人ではないのに、こんなにイライラするの――――…
え?何 この感情……
え、僕、嫉妬してるの……?
響さんが戻り、意識したらなんだかドキドキしてきた。
「ごめんね、なっちゃんに全部やらせちゃって。同じ学科の子が、旅行行ったお土産を持って来てくれたんだ。あ、これお菓子だから後で食べよう。うわぁ、照り焼き美味しそう」
「良かったんですか?ずっと玄関先で。入って貰えば良かったのに…」
あれ?嫌味っぽかったかな…。
「ああ、いいのいいの。家の中に他人を入れるの好きじゃないし」
「えっ?あの、いいんですか?僕、居ますけど…」
「なっちゃんは特別。なっちゃんは好きな子だからいいの!さ、食べよう?」
「あっ…、た、食べましょうか」
響さんの笑顔が眩しい。
ドキンとした。
そんな事を早口で言われて、ちょっと優越感。
さっきのイライラがなくなった。
『好きな子だからいいの』
そう言われて嬉しかった。
今までも好きだと言われてきたけど…。
さっきあの女性に嫉妬した。
触らないでって思った。
そうか、僕は響さんが好きなんだ。
響さんを好きになるのに
時間や理屈なんかじゃない
僕は響さんの事を、
恋愛の「好き」なんだと
突然 自覚した――――…
朝、大学に行く前に響さんが
「なっちゃん、今日バイトないよね?帰りに映画観に行かない?」
そう言ってチケットを渡してくれた。僕が観たかったアクション映画だった。
嬉しくて「はい」と2つ返事で頷いたら、響さんはホッとしたような、嬉しそうな顔をして笑ってた。
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