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「僕、響さんの事が好きです。僕と恋人になって下さい」
響さんと向き合って告白をしたら、目を見開いて数秒、響さんは固まっていた。
「響さん…?」
僕からの問いかけの後に、今度は躊躇する事なく、響さんはぼくをガバッと抱き締めた。
「嬉しいよ。今日から なっちゃんはおれの恋人だからね。大切にするから、宜しくね」
少し身を離し、僕と視線を合わせ、優しく微笑みながら頭を撫でてくれた。
「ふふっ。頭、撫でるの好きですね?こちらこそ 宜しくお願いします」
響さんの顔が近付いてきたので、慌てて「待って」と言って、キョロキョロと辺りを見回した。周囲には誰もいない事を確認して、ドキドキしながら僕は目を閉じた。
そんな僕をクスッと笑う気配がした。
「好きだよ。なっちゃん」
そう言って響さんは唇を重ねてきた。
寒空の下僕の顔は熱く火照っていた。
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