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「止めろっ!離せっ!」
何故?どうして?
自分がこんな目に合わないといけないのか。さっぱりわからない。
体つきはしっかりした男たちだが、とてもモテるような容姿ではなく、寧ろ顔を背けたくなるような容姿だった。
2人を相手に暴れて抵抗しても2人がかりで押さえられ、顔を殴られる。抵抗してもかなわい。
「くっ…」
「ああ、顔殴るなよ。キレイな顔が台無しになるじゃん」
「ゴメンゴメン。つい手が出た」
「何で…、こんなことするんだ」
僕がそう言うと、男たちは顔を見合せた。
「恨むならアイツを恨めよ」
「そうそう、俺たちは頼まれたから拉致っただけだし。まぁ、後であんたを好きにして良いって言われたしな」
ゲラゲラと下卑た笑いをしながら、男はドア付近を指をさす。
目線を向ける前に、口にタオルを入れられ、2人がかりで僕をうつ伏せにして、床に押さえ付けた。
「うっ うぅーっ」
ドアにカギをかけて、もう一人小柄な男がゆっくりと歩いて来た。
「久しぶりだね?香坂くん」
その男はニヤリと笑った。
その男には見覚えがある。
田村とかいう男だ。
僕に対して憎しみを込めた視線でこう言った。
「香坂くんが悪いんだよ?響から離れないから悪いんだ。身も心もボロボロにしてやる。屈辱を味わえばいいんだ。
…ほら、お前らヤっちゃいなよ」
そう言って近くの椅子に座った。
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