謎の女

1/1
前へ
/1ページ
次へ

謎の女

原田sido 「そっち行ったぞー!!!!」 「行けぇ!!!追えぇえええーー!!!!」 俺たち新選組は、羅刹という化け物を追って走っていた。 事の成り行きは、元々千鶴の父親。綱道の悪事によるもの。変若水(おちみず)とかいう飲みもんを飲んだ奴は、みるみるうちに白髪に変わり、目は赤くなる。加えて人並み外れた力を発揮する。 「クソッタレが!!!」 目の前を走る羅刹に集中し、一気に斬りかかった。 だんだら模様の羽織は赤く染まり、刀を持つ手には人を斬った感触。 そうだ。こいつだって元々は人間だ。 「お前は……、よくやったよ…。」 消えていく"元仲間"を眺めながら、独りごつ。 刀の血を拭き、鞘に収める。 「酷いもんだよな…。(こいつ)だけ遺して逝くなんてよ。」 すっかり姿の見えなくなった"元仲間"の血まみれた刀を手に取り、今もこいつを殺気立って探しているであろう仲間の元へ向かった。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加