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「ほ、本当?!」
少年は感激して身を乗り出したが、慌てて表情を引き締め、警戒するように何歩か後退した。
「だ、騙されないぞ。あんたたち、よそ者だろ? 巡礼者のふりした人さらいがいるから気をつけろって死んだ父ちゃんが言ってた!」
「僕たちは怪しい者ではありません。信じてください」
スクートムは巡礼装束の下に隠していたペンダントを少年へ見せた。刻印されているのは、みっつの峰と牡鹿の紋章だ。
「あんたたち、教皇庁の人なの?」
「他の人には内緒です。さあ、君の家へ連れて行ってください」
優しい声色で促すスクートムに、少年は神妙な顔つきでこくりと頷いた。
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