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〜〜〜
夕食は大きな宴会場のようなところで、一般の宿泊客と一緒に食事を取る。
舞台ではモノマネ芸人のショーをやっていて、自分たちの席には折を見て食事が運ばれる。ショーを観ながら食べるスタイル。いわゆるディナーショーのようだ。
奈緒たちも、爆笑しながらショーを楽しんで、楽しい食事の時間となった。
食後は、各自で自由に行動する。翌朝の朝食の時間を聞いてから、奈緒たちも部屋に戻る。
「澤村、ナイター滑りに行く? 今日初めてやったから疲れてるかな。部屋でゆっくりする?」
「うん。やっぱり夜は寒いから、ナイターは厳しいかも。お腹いっぱいだから、ちょっと休憩したい」
二人は部屋で過ごすことにした。売店で飲み物を買い、部屋に戻った。
♪♪♪
「澤村、疲れた?」
「うーん。明日筋肉痛かもねー。もうすでにお尻から太ももにかけて痛いよ」
ソファに座り、テレビを観ながらそんな話をしていた私たち。
私は奈緒にマッサージしてあげようと、奈緒にうつ伏せで寝るように促した。
太ももからふくらはぎにかけて、ゆっくりマッサージしていく。
「痛くない?」
「うん、大丈夫」
そのまま上に戻り、お尻の方までもみほぐしていく。
だいぶ凝りがほぐれたみたいだったので、マッサージしていた手を緩め、太ももを軽く撫でた。
「ありがとう。今度はひーちゃんの番ね」
と言って、奈緒は仰向けになってから起きあがろうとした。私はすかさず奈緒の両手を握り、脚の間に入って覆い被さった。
「まだほぐしてないところがあった」
奈緒を組み敷いたまま、キスをする。最初は体をくすぐったりして、じゃれ合っていたけど、スイッチが入ってしまい、私の手は奈緒の下半身に行っていた。
「んっん〜……ひーちゃ……あっ」
奈緒は身をよじらせる。そのままソファから滑り落ちてしまったけど、私は変わらずそこを刺激し続ける。
「ここ? 気持ちいい? ねえ、お布団入ろうか」
「ん〜……やだ……」
まだ奈緒は私が中に入ることを拒む。何かあるんだろうか。涙目で拒まれると、これ以上は出来ない。まあ、セックス だけが愛情表現じゃないし。これが目的で付き合ってるわけでもないし。
「じゃあもう一回お風呂行こう」
〜〜〜
「ねえ……ひーちゃんって、石郷先輩が最初の恋人?」
二人で露天風呂に入り話をしている。
「いや、その前に彼氏がいた」
「えっ! 知らなかった」
「いや、でもあれは付き合っているうちに入るのかな。キスまではしたけど、なんかあまりその人のことを好きになれなくて……」
「私もね、ひーちゃんの前に彼氏がいたんだけど。その人はとても良い人だった。だけどね、いざ付き合って体の関係になった時に……すごく痛くて……」
「初めてだったからじゃないの?」
「みんなそう言うんだけど、この先も痛い思いしてシなきゃいけないのかなって……ちょっと怖いんだ」
「なるほど……じゃあ、無理にしなくてもいいよ。澤村が本当にシたい時にシよう」
「ひーちゃん、それでも私と付き合ってくれるの?」
「当たり前だよ。私が澤村のことを好きで付き合ってんだから。話してくれてよかった。ありがとう」
「ひーちゃん……私の方がひーちゃんのこと大好きなんだからね」
「ははは……わかったよ」
ほぼ貸切状態の露天風呂で、二人はこっそり抱き合って、軽くキスをした。
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