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無法地帯とし、殺伐とした家の中はまるで悪夢。
眠れば、この悪夢から解放されるだろうか…
「ピロロッ」とスマホ越しからアラームが耳に鳴り響く。「うっさいな」と呟き、アラームを止めた。
また、始まる。そう思っていた。
私は、自身の部屋から出て茶の間へと行き
お婆ちゃんへ「おはよう」と挨拶をすれば
「ねぇ、なんか奇妙なニュースがやってるわよ」と
首を傾げながら、お婆ちゃんの隣に座り
TVへ目を向ければ其処には、信じ難いニュースが
「緊急朗報」として朝から流れていた。
「え、と。此処で番組の途中ですが、緊急ニュースです。各地の家庭で亡くなったご家族が帰って来たとの事です。」
私は、首を捻りながら。「はい?ドッキリにしてはタチが悪いな」とお婆ちゃんと話していると
玄関のインターホンが鳴り響く。
「あ、私でるよ」と立ち上がり玄関を開けると
其処に立って居たのは、紛れもなく
「お爺ちゃん」だった
え、え。夢?亡くなった筈の祖父が目の前にいる
「久しぶりだね」、とニッコリと微笑む
お爺ちゃんの表情。
私が玄関で固まっていると、お婆ちゃんがどうしたのかと、顔を除けば…目を見開いて叫んだ。
お婆ちゃんの叫び声に、お父さんや他の家族も飛び出して来て、皆んな玄関に居るお爺ちゃんに
驚きながら声が出ない様子。
「なんだ、なんだ。叫ぶなんて失礼だな。
こうして。戻って来たというのにお前さんは…
お前達も、驚きすぎだ。」と笑いながら中へ入った
家族は口々に、幻覚を見てるのだろうかと口々に、呟いていたれど。
私は朝見たニュースを思い出した。
「朝、緊急ニュースでやっていたよ!確か、亡くなった人が各地家庭に帰ってるって」、と家族に伝えれば、皆んなTVに集まりニュースに目をやる。
其処には、紛れもなく「亡くなった人が帰宅」と
大々的に取り上げられていた。
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