1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
皆んな、ニュースを見た後にお爺ちゃんを見れば
お父さんは「良く、帰って来てくれた」と、泣きながらお爺ちゃんに伝え。
他の家族も、お爺ちゃんに抱きつき泣きながら
「もう、居なくならないで」と自分達の思いを伝えていた。
お爺ちゃんは「なんだ、なんだ。戻ってきたんだから、泣くんじゃない」と言っている。
だけど。きっと内心は凄く嬉しいんだと思う。
「もう、居なくなってしまわないで下さいね」、と
お婆ちゃんも泣きながら、お爺ちゃんに告げて居た。
お爺ちゃんが、亡くなった後一番寂しく孤独を感じて居たのは、お婆ちゃんであっただろう。
「全く、お前さんまで。居なくならん」と
照れながらも、目に涙を浮かべてるお爺ちゃんを見て、私も泣き出してしまい。
私の願いが叶った。良かった。
「これで、もう大丈夫だ。」
その日は、皆んなで久しぶりに茶の間に集まり
ご馳走を食べながら沢山の話をして、
楽しい時間を過ごす事ができた。
「んー、こんな晴々とした気持ちは久しぶりだな」
と呟きながら窓から夜空を見つめていれば、
ドアをノックする音が聞こえ。
「はーい、どうぞー。」と言えば、其処には
お爺ちゃんが立っていて。
「久しぶりに、ゆっくり話をしたいと思ってね」と
ニッコリと微笑む姿に、「もちろんだよ!私も話したい」と伝え、二人で夜空を見上げながら…
「人生はあっという間だなー、こうして戻ってこれたのは有難い…」と言葉ではそう言う割に
何処か不安の様な、悲しそうな表情をしていたのを私は見て見ぬ振りをしてしまった。
お爺ちゃんには、ずっと居て欲しくて。
何故か、胸騒ぎをし。怖くて…念を推す様に
「ずっと、ずーっと居てね。居なくならないでね」と何度も伝えた。
最初のコメントを投稿しよう!