桜日side

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いつもは平気だったのに、最近不安になる事が多かった。  ぼっと何もない桜の木を見ていたら、また病室のドアを引く音が聞こえた。 「村田桜日ちゃーん、検診のお時間ですー」 聞こえてきたのは新人の看護師さんの声。 「はーい」 ベッドの下に置いてあるスリッパを履いて、ドアへ向かった。きっと良くなってると信じている。 あれから全然発作なんて出てないから。 新人の看護師さんが微笑んで歩き出した。私は静かについていく。きっと大丈夫だと信じて。
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