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若干、皮肉っぽくなったが仕方ない。
それだけ私は忙しいのだ。
「わかりました。
在庫確認と発注は他の人でもできますよね?
あとは……」
テキパキと私の仕事を課長が整理していく。
あっというまに無理をしなくても、今日中に収まる仕事量になっていた。
「前から三津屋さんは仕事を抱えすぎだと思っていました。
これからはもう少し、他の人に割り振るようにしていきましょう」
「……はい」
もっともすぎて返す言葉がない。
現に、私じゃなくてもいい仕事を他の人に振ったら、いくらも残らなかった。
今までいかに、自分が他人を頼らずに仕事を抱え込みすぎていたのか痛感した。
「怒っているわけではありません。
僕も早く声をかければよかったんですが、こんな機会になってしまいすみません」
課長に頭を下げられ、反対に申し訳ない気持ちになる。
「いえ、助かりました!」
「なら、いいんですが。
じゃあ、資料を読み終わったら声をかけてください。
打ち合わせをしましょう」
「わかりました」
ふたり同時に立ち上がり、それぞれの席に戻る。
イケメンだけじゃなく気遣いもできるなんて、課長はどれだけハイスペなんだ。
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