占いとは当たるものらしい

5/10
前へ
/10ページ
次へ
若干、皮肉っぽくなったが仕方ない。 それだけ私は忙しいのだ。 「わかりました。 在庫確認と発注は他の人でもできますよね? あとは……」 テキパキと私の仕事を課長が整理していく。 あっというまに無理をしなくても、今日中に収まる仕事量になっていた。 「前から三津屋さんは仕事を抱えすぎだと思っていました。 これからはもう少し、他の人に割り振るようにしていきましょう」 「……はい」 もっともすぎて返す言葉がない。 現に、私じゃなくてもいい仕事を他の人に振ったら、いくらも残らなかった。 今までいかに、自分が他人を頼らずに仕事を抱え込みすぎていたのか痛感した。 「怒っているわけではありません。 僕も早く声をかければよかったんですが、こんな機会になってしまいすみません」 課長に頭を下げられ、反対に申し訳ない気持ちになる。 「いえ、助かりました!」 「なら、いいんですが。 じゃあ、資料を読み終わったら声をかけてください。 打ち合わせをしましょう」 「わかりました」 ふたり同時に立ち上がり、それぞれの席に戻る。 イケメンだけじゃなく気遣いもできるなんて、課長はどれだけハイスペなんだ。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加