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第20章 消えた手紙
「堂本さん お元気ですか? 今まで本当にありがとうございました。私に色々なことを教えてくれたり、私に大事なことを気づかせてくれようとたくさんの投げかけをしてくれました。本当に感謝しています。堂本さんが退職する日、本当はもっと気の利いた手紙を書きたかったんです。それからあのイベントの期間中、堂本さんの誕生日をお祝いして何かプレゼントを贈ろうと思ったのですが、その両方とも私には満足の行くことが出来ませんでした。私は堂本さんから色々なものを頂いたのに、そのお返しが何も出来なかったのです。そしてそればかりか堂本さんに本当に酷い仕打ちをしてしまったのです。ごめんなさい。どうか赦してください。そしてこれは都合のいいお願いだと思いますが、出来ましたらそれらのことは一切水に流して頂きたいのです。お願いします。そして以前のようにまた私に色々と教えて頂きたいのです。私は生まれ変わります。そして再び輝きたいのです。そしてそれには堂本さんにどうかお力添えを頂きたいのです。ですからその代わりと言ってはなんですが、これは今までの罪滅ぼしとそして感謝を込めて、堂本さんに贈りたいことがあります。それは堂本さんが会社を辞めることになったあの冤罪を晴らすということです。こんなことで私の今までの行いが帳消しになるのかはわかりませんが今の私に出来ることはそれが精一杯です。本気です。ですからどうかこの気持ちを受け取ってください。
追伸、あの事件の被害者にまず会ってみます。そしてあの時のことをもう一度良く思い出してもらいます。2013年9月18日 藤木美紗」
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