プロローグ

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 ここはエストラーダ帝国。北側にはマルコ王国、アントニオ民主主義国を東側に囲まれた形で存在している。帝国の歴史を築き上げた伝統、文化、宗教を大事にし、広大な国土と軍事力を有し、貴族による領地運営を採用してる。その地域を統括している領主により財政や貧富、事情は様々だ。しかし一部の貴族の人達は町の外観を大事にする為、市民に対しては政策を行なわず市民の税金に歴史的な建造物の舗装や迎賓会、私欲に税金を使用している為、市民は貧富に喘いでいる。  ★★★★★★ ───そして………ここは帝国首都であるアマルフィ。場所はクレイブ宮殿、5代目のジェームズ・ルイゼ・アルゼイド皇帝陛下が在位し、アルゼイド一族が居住している。宮殿では会議やパーティ、その他の催し物などの為、外国の迎賓客を迎え入れている。  クレイブ宮殿にある応接間。緑のカーペット、そして部屋を支配するようにキラキラと吊るし上げる宝飾のようなシャンデリア。そしてソファに腰掛けてテーブルに足を組み、貴族衣装を正装した1人の若者が指を差し、冷徹に吐き捨てる。 「アリエル・ヨハーソン。貴様を婚約破棄にしてやるっ!!」  それは正面から。婚約破棄を宣言された私はただ沈黙する。若者はさらに発言する。 「貴様は帝国貴族らしからぬ貧乏臭い考えをこの我に指摘し、挙げ句の果てには国の税金や政策、帝国貴族の伝統であるパーティを貶した………。貴族のような平民を迎え入れた我が間違いだったよ」   彼は皇族次男、名前はケビン・ルイゼ・アルゼイド。年齢は20歳。それは怒りや憎しみ、嫉妬、あらゆる思念を表したような炎のような紫色の髪を片手でふわっとキラキラとかき揚げる。帝国は男尊女卑の社会、男性の意見が高く女性の言論が低いのが現実だ。特に帝国貴族は既婚者でも愛人を持っている者が多い。ちなみに私はこのバカボ………いや、ケビン第2皇太子とは1年前、私が故郷の領地の町で買い物をしていた所、視察に来た皇子に気に入られ、求婚された。なお、帝国では皇族や貴族の言う事は絶対であり、断る事は許されない。  そして私、アリエル・ヨハーソンは口を開き、せめての礼儀として頭を下げる。 「分かりました。お世話になりました」  ケビンは嘲笑うような姿勢を整え、さらに台詞を吐き出す。 「どういたしまして。と、言っておこう。さ、とっとと出ていけ」  ケビンは愛人達を囲み、イチャイチャしながらアリシアにそう言ってやる。彼は女性絡みの問題がひどい、気に入った女性には自身の地位や名誉、財力で物を言わせ。例え貴族の愛人や平民の既婚者などから片っ端から愛人に招き入れている。貴族の中では皇族は最高位、公爵クラスでも逆らえない。もう一度、言っておこう。平民は貴族の言う事は絶対であり、どんな理不尽な要求も応えなければならない。  私はこの応接間から退室し、そしてかつての部屋で荷物を整える。あまりこれと言って思い出はないが。 「婚約破棄なんて。全く清々するわ」    カバンに衣類や書物など乱暴に入れ、怒り任せに独り言。何故なら私は彼の女性遍歴や自分勝手な性格に嫌気が差していたから。  
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