第13話 食事をするべりある

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第13話 食事をするべりある

 ここはヨハーソン家館の会食室、主に家族で食事をする部屋である。床にはゴワゴワしたカーペット。縦長の木造テーブル、純白のテーブルシートが広がり、食器類が置かれ、そしてキャンドルが設かれている。 ───パクパクパクパク。  私、アリエルはとある光景を眺めていた。 「おいしぃ〜〜〜」  べりあるは、皿に盛られた料理を食べていた。ミートパスタ、豚の丸焼き、パン、山菜のサラダなどなどのフルコースの料理であり、次々と口に放り込まれていた。ちなみに、私はこんなに食べないし食べれない。前世において、大食いタレントを思い出す。  ★★★★★★ ───あれは十数分前。場所はアリエルの部屋。  ぐぅ~〜〜〜…………。  部屋全体にイビキのような音が響き渡る。音の発生源は、べりあるのお腹である。 「ありえる………べりある、お腹空いた」  と、ニシシ。と、べりあるは恥ずかしい表情を浮かべ、言った。そして私は会食室に案内し、料理人にべりあるに料理を用意させた。 ───と、いう事である。 「ほら、べりあるちゃん。おくち汚れているわよ」  アリエルは、食べカスやソースで汚れたべりあるの口元をハンカチで拭う。 「ニシシシ………」  口をハンカチで拭われ、喜ぶべりある。  ★★★★★★ ────数分前、時間帯で言えば、べりあるに会食室に着席させたら、お父様やお母様にお呼びだしされる私。場所は会食室の入り口前。 「アリエルよ、あの娘は何者だ?お前が帰って来た時にはいなかったが………」  ホルヘは尋ねる。   「それは………」  お父様の質問に、アリエルは返す言葉に困り果てる。何故なら彼女の正体は、かつて帝国を滅亡しようとしていた魔王である。 「子供がいたなんて、どうして相談しなかったの?」 「違うわよっ!!見たら分かるでしょ?角が生えているし、色々とおかしいでしょ?」  と、私は反論した。ちなみに、婚約していた頃、恥ずかしいながらケビン皇子とは関係すら持っていなかった。 「確かに、それもそうだな………では一体?」 「父様、母様………」  アリエルは両親にコソコソと説明した。 「なっ………魔王ベリアルだって………」 「何てことを………」  案の定、両親はガタガタと震えていた。すると、父親のホルヘは髭をいじり、気持ちを整えて口を開く。 「そう言えば、帝都にいる平民派の議員から聞いた事がある。何やら宮殿の方でとある国家機密が消失し、皇帝陛下はそれを探す為に、騎士隊を各地に向かわせたと命令した。と、聞いた。もし、彼女が例の封印された魔王だとしたら………」  扉のスキマから、ホルヘはべりあるを眺める。
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