村の疫病

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顔を真赤にして本気で叫ぶ武雄に他の村人たちは鼻白んだように黙り込んだ。 「まぁ、今日のところはこれで終わりましょう。生贄なんて、そう簡単に決めていいもんじゃない」 村の長のその一言で、一晩中続いた会議は終わった。 外へ出るとすでに太陽は登りきっていたけれど、狭霧村にはまだまだ深い霧が立ち込めていたのだった。
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