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水の入った樽に花を入れて、男の子を抱き寄せる。
「花鬼はお花が大好きね」
「うん! 僕、いつかお父ちゃんが言ってた虹色の花を探してお母ちゃんにプレゼントするんだ!」
「虹色の花?」
それは初耳だった。
両親から聞いたこともない。
「そうだよ。その花をもらった人は、ずーっとずーっと幸せになれるんだって! 僕、お母ちゃんに幸せになってほしいな!」
「そう。ありがとう花鬼」
花鬼を両手で強く抱きしめながら、昔洞窟の中で見た夢を思い出していた。
夢の中でハナは光鬼と、見知らぬ子供と一緒に居た。
それが花鬼だったのだ。
人間と鬼のハーフの花鬼はよく笑い、快活な子供だった。
「ハナ」
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