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村人の中心には大きな樽が置かれている。
田村爺は戸口のすぐ脇に立っていたが、ハナから視線をそらすようにうつむいてしまった。
「これはどういうことですか?」
質問するが早いか、2人の筋肉質な男たちがハナの両脇にたち、腕を掴んだ。
その力は痛いほどで顔をしかめる。
「なにをするの!?」
必死に逃れようとしても男たちの力は緩まず、そして他の村人たちもハナを助けようとはしなかった。
「助けて田村爺!」
ずるずるとひきずられるようにして樽へ向かいながらハナは振り向いて叫んだ。
田村爺はハナが生まれたときに近くにいてくれた。
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