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誰からも返事がなく、助けられることもないハナはまるで自分が透明人間になってしまったような気がしてきていた。
このままどこかに連れて行かれて、本当のひとりぼっちになってしまうんだ。
そう思うと胸が張り裂けて絶叫してしまいそうだった。
だけど今はまだ違う。
相変わらずハナを入れた樽はどこかへ移動させられている。
せめてどこに連れて行かれているのか確認しようと、樽の木の隙間に目を寄せた。
そこから見えるのは樽が手押し車から倒れないように支えている、村人の着物の柄ばかりだ。
どうにか逃げ出すことができないか、全身を左右に揺らして樽を揺らしてみたり、蓋をお仕上げてみようともがく。
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