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「光鬼という名前。俺も気に入ったぞ」
光鬼はそう言って微笑んだのだった。
☆☆☆
翌日、いい香りがしてきてハナは目を覚ました。
上半身を起こして見てみると昨日と同じように光鬼がイワナを焼いていて、呆然とする。
「あ、あの……」
背中を丸めて火の番をしている光鬼に声をかけると、光鬼は笑顔で振り向いた。
その笑顔に思わず心臓が跳ねる。
「起きたか。食事の準備ができてるぞ」
「あの、どうして私を食べないの?」
一晩ぐっすり眠って起きると朝食ができているなんて、鬼に捕まった人間の想像できることではなかった。
「食べる? どうして?」
光鬼はけげんそうに眉を寄せた。
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