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光鬼はそう言うと少し強引にハナにイワナを手渡したのだった。
☆☆☆
洞窟の中での生活はハナにとって初めてのことばかりだった。
「ここは元々熊が暮らしてたんだ。しばらく一緒に暮らしたんだが、やっぱり寿命が短くて先に死んでしまった。それからは俺が暮らしてる」
洞窟は奥へ奥へと続いていて果がないように感じられた。
光鬼は太陽の光が届かない場所で寝起きすることを好んだ。
ハナがここへ初めてきたときに眠っていたのは、光鬼の普段の寝床だったのだ。
それを聞いたハナは少しだけ寝床を入り口に近くして、草木を利用して簡易的な風よけを作った。
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