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武雄にだって生活がある。
きっと、自分がいなくなったと知っても、翌日には田んぼへ出ていることだろう。
村での生活を思い出して少しだけ胸の辺りが苦しくなったとき、後ろに足音が近づいてきた。
「どうした?」
光鬼だ。
とても近くにいるようで、熱いくらいの体温がハナにも伝わってくる。
人の平熱と鬼の平熱は違うみたいだ。
「なんでもない」
ハナは知らずに滲んできていた涙を手の甲で拭い、笑顔で振り向いた。
そこには案の定、心配そうな顔を浮かべた光鬼がいた。
洞窟の奥からは山菜が炊けた美味しそうな匂いがしてきている。
今日は山菜を使った雑炊のようなものを作ると言っていた。
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