村の疫病

5/9
前へ
/106ページ
次へ
大人たちが集まった集会で、そんなことを言う者が現れた。 みんな畑や消した浅黒い顔をしていて、ツギハギだらけの着物を身にまとっている。 座っている座布団は使い古されてペタンコで、この村の行政があまりよくないことは一目瞭然だった。 それは村の中で一番大きな山、狭霧山が関係していると村人たちは考えていた。 元々盆地型をしている上に、大きな山があるせいで日が当たる時間が短く、作物を植えてもうまく行かないことが多い。 それならその山を切り崩してしまおうという案もあったのだが、以前狭霧山にでかけていった5人の男たちがそこで大きな鬼を見たと言う。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48人が本棚に入れています
本棚に追加