6人が本棚に入れています
本棚に追加
/67ページ
それとほぼ同時に地面を蹴り上げてこちらへ向かてジャンプする。
「いやっ!」
咄嗟にかがみ込んで両手で頭をかばう。
しかし、いつまで待っても獣がハナに襲いかかってくることはなかった。
そっと目を開けてみるとハナの目の前には光鬼が立っていた。
光鬼はハナに背を向ける形で立っていて、こちらを振り向かない。
「光鬼?」
やっと光鬼と合流できた嬉しさと安堵感。
それに浸る暇もなく、ハナは異変に気がついた。
立ち上がって確認してみると、光鬼の右腕にさっきの獣が噛みつき、鋭い牙を突き立てているのだ。
「なんてこと!」
悲鳴をあげて獣を追い払おうとするが、光鬼がそれを止めた。
最初のコメントを投稿しよう!