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村の人々も優しかったが、ここまで自分を思ってくれていた人はいなかったかもしれない。
光鬼はハナにふれるとき、いつも優しさをたたえてくれていた。
ハナはそっと自分から光鬼に身を寄せた。
光鬼がみじろぎをして離れようとするから、その体をギュッと抱きしめた。
「あなたが怖い鬼だなんて、もう思わない。これほど暖かなんですもの」
光鬼の逞しい胸に耳を寄せると確かな鼓動が聞こえてくる。
それが心地よく感じられてハナは目を閉じた。
光鬼の両手が壊れ物でも扱うような優しさでハナの体を抱きしめた。
ハナはそっと光鬼に唇を寄せる。
「キスをするのは初めて?」
聞くと光鬼の頬が赤く染まる。
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