35人が本棚に入れています
本棚に追加
/270ページ
「如月ちゃん、痩せたわね……。
ちゃんと食べてるの?」
真梛斗も何度か来たことがある、このお店。
だから、おじちゃんとおばちゃんも当然、真梛斗が交通事故で亡くなったことも知ってる。
「ちゃんと食べてる。
いつも有難う。
家に帰って頂くねー。
おやすみなさい。お疲れ様でしたー」
「はーい、おやすみ。
明日も頼むよー」
そんなおじちゃん、おばちゃんの温かい声に見送られて、
昼間の暑さとはうってかわった、過ごしやすい風を感じながら、
私は駅に向かって、スマホを見つめながら走り出す。
終電まであと15分。
急ぎ足で改札に滑り込んで満員電車に乗り込むと、
じっくりとスマホを確認する。
美織からの連絡を確認する。
★
お疲れ様、如月。
今日もバイトだったわよね。
えっと、先方と連絡が着きました。
急だけど明日の13時だと、会議の合間に少し時間が出来るみたいです。
帝国ホテルのロビーでならと言う連絡でした。
★
明日かぁー。
美織からのメールに少し溜息をつきながらも、
アタシは、「わかった。じゃあ、12時頃に行くわ」っと返信した。
最初のコメントを投稿しよう!