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公園で遊んでいた小学生の娘が帰って来た。
「ただいま」
「おかえり」
娘の声になんだか元気がなかった。
「どうしたの?」
「ねえママ、ワンちゃん連れて来ていい?」
なるほど、そういうことかと思った。
娘は以前から犬が大好きで飼いたい飼いたいと言っていた。でも今住んでいるアパートはペット禁止なのだ。
「あのね、前にも言ったでしょ?ここはね、ペットは禁止なの」
「ワンちゃんもダメなの?」
「ワンちゃんもネコちゃんもダメよ」
「でも、迷子になってるのよ、可哀想」
確かに迷子になった犬なら飼い主も探しているかもしれない。ちょっと調べればわかるかもと思った。
「ねえ、そのワンちゃん近くにいるの?」
「うん、すぐそこにおとなしくしてる」
仕方がないと思い、私は娘に連れられて表へ出た。
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