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それを受けた恭輔は少し口元を緩め、頬を染めながら微笑んだ。
「杏奈の笑顔、堪らない」
「え」
「それ、ずっと見たかったんだ」
「恭輔……」
「はぁ……ダメだ」
恭輔は持っていた箸を置き私の元へすり寄って来た。
「杏奈、したい」
「えっ、今?!」
「今、すぐにでも」
「だって食事中──……んっ」
言っている途中で性急にキスで唇を塞がれた。今まさに食べていた焼き魚の香ばしい味のするキスだった。
角度を変え何度も付いては放れてを繰り返し、やがて私の体幹は水を含んだスポンジのようにくたりとなりその場に簡単に押し倒されてしまった。
「はぁはぁ……」
「杏奈、可愛い」
「恭、輔……」
「ん、もうすごく濡れてる」
下着の端から入り込んだ恭輔の指がとっくに熱くなってしまっている奥に差し入れられた。いやらしい粘着質の水音が部屋中に響いてその羞恥が私を益々濡らした。
控えめだった水音は次第に大きくなり、それと連動するかのように速まった恭輔の指使いが私を絶頂へと誘った。ビクビクと体が撓り恭輔の指をキュウキュウと締め付けているのが自分でも分かった。
「はぁ……イッちゃったね、俺の指で」
「はぁはぁはぁ……」
「杏奈はこれで満足?」
「……」
「じゃあ食事に戻ろうか?」
「……ゃ」
「ん?」
「……嫌ぁ……このまま……続けたい」
「ふはっ。杏奈のお強請りはいつもゾクゾクするなぁ」
なんて言いながら恭輔が見せた妖艶な色っぽい表情は私の中を更に潤す潤滑油になったのだった。
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