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突然のことに驚き思わず「えっ」と言葉を放った瞬間
「杏奈、俺と結婚してください!」
受けた言葉と共に恭輔に捉まれた手首がジンッと熱を放ったような気がした。
(………今……なんて)
一瞬頭が真っ白になって思わずその場にへたり込んでしまった。座っていた恭輔と視線が交わった。薄暗い中でも頬を赤らめていると分かる恭輔の顔をジッと見つめるともう一度告げられた。
「杏奈、俺と結婚してください」
「!」
(聞き間違いじゃなかった!)
今度こそはっきりと認識した。
「杏奈」
「恭輔……それってもしかして……プロ…ポーズ?」
「もしかしなくてもプロポーズです」
「~~~っ、な、なんで……なんでいきなりっ」
「今日するって決めていた」
「え」
「俺なりに考えた最高の舞台……杏奈の心に残るだろう一生一度の告白にしたかった」
「……」
「ふたりにとって初めて観る流星群の夜にしたかったんだ」
「~~~恭輔ぇ」
まさかこんなサプライズがあるとは思わなかった。
(だからずっと様子がおかしかったの?)
少し前から感じていた恭輔の異変の原因がこれだったのかと解ると余計に胸に迫るものがあった。
(緊張、していたんだ)
ずっと私のことを考えてくれていたのだと思うと溢れ出す涙を止めることなんて出来っこなかった。
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