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ふたりで初めて観た流星が流れる夜に恭輔からプロポーズされた。
「杏奈には結婚なんて早過ぎるって気持ち悪く思われるかも知れないけれど、俺、ずっと考えていたんだ。早く杏奈を俺だけのものしたいって」
「……」
「他の男の目に触れさせたくない。ずっと俺だけを見て欲しい」
「……」
「結婚して家に閉じ込めたいなんて考える独占欲の強い男だけど絶対に杏奈を幸せにしてみせるって自信がある」
「……」
「杏奈には身体的にも金銭的にも絶対苦労させない。ただ俺の傍にいて、俺だけを愛してくれるだけでいい」
「……」
「……って、そんな風にしたいしされたいと……ずっと思っていたんだ」
「……」
「……杏奈?」
「……」
「……引いた?」
「……」
「俺のこと……嫌いになった?」
「……ぃ」
「え」
「~~~嫌い……になんて……なる訳ないじゃない」
「杏奈……」
「恭輔……私こそ……私を、恭輔だけのものにしてください」
「! それって──」
「私は恭輔と結婚したいです」
「杏奈!」
恭輔の饒舌な告白は私が望んでいたことばかりだった。
恭輔が大好きで、好き過ぎておかしくなると同時に抱いていた願望を恭輔は叶えてくれるというのだ。
「いいの? 本当に俺と結婚してくれるの?!」
「恭輔こそ私なんかでいいの? 生涯私だけで満足出来るの?」
「それこそ俺の台詞だよ。杏奈こそ俺だけで満足出来るの?」
「私、もう恭輔じゃないと満足出来ないし、生きていけない」
「俺も一緒。杏奈じゃなきゃ生きて行く意味がわからない」
お互い好き過ぎて壊れそうなくらいの相手を見つけたことの奇跡。
似た者同士の私たちが結ばれ、辿り着いたエンディングを祝福するかのように夜空には数多の流星が流れて行った──。
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