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流星群を観終えた私たちは帰って来た恭輔の部屋で獣のように交わった。
「杏奈、今日はいつもより感度がいいね」
「だって……だってぇ」
もう何度目の絶頂を迎えたか分からない。なのに私の中は枯れることを知らずにまたとろりと恥ずかしい蜜を垂らしている。
それは恭輔も同じで何度精を放ってもそれは雄々しく勃ち上がりベッドの周りには使用済みのゴムを包んだティッシュが散乱していた。
カーテンの隙間から淡い光が差し込んで来て陽が昇って来たことを知る。だけどこの空間だけは外の清々しい健全な風景とは異なる、愛欲にまみれたいかがわしい光景が広がっていた。
「杏奈、君を閉じ込めるよ」
「うん」
「とりあえずこの休み中はこの部屋から出さない」
「うん」
「ずっと俺に愛されてグズグズに蕩けるまで快楽を味わうんだ」
「うん」
恭輔から放たれる言葉のひとつひとつに身悶える。
恭輔だけのものになる。
恭輔しか見てはいけない。
恭輔にしか愛されない。──そんなことを考えるだけでゾクゾクした。
「もう……」
「うん?」
「もう……此処から出たくない」
「……」
「恭輔が私を愛してくれるならそれだけで幸せでおかしくなりそう」
「……杏奈」
まさか私にこんな面があったとは思いもしなかった。多分恭輔じゃなかったらこんな気持ちにはならなかった。こんな気持ち、気が付きもしなかった。
閉じ込められて幸せだなんて、そんな狂気的な感情、恭輔にしか許せなかった。
──そうして私たちのお盆休みは純粋な偏愛にまみれて過ぎて行ったのだった
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