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「なんかさ、雅哉が生まれて続けて真己子も生まれたから父さんも母さんも大変で、そういうの傍から見ていたら反抗期やっている場合じゃないとか思って諦めた」
「あらら」
(もしかしたらその時押し込められた反抗期が大学の時、AVに出演する時に出ちゃったのかな?)
恭輔は自分の黒歴史を両親には告げていないと言った。そしてこれからも言うつもりはないと。
(恭輔の中ではそれがちょっとした反抗期だったのかも)
そんな風に考えると恭輔の黒歴史も少しだけ肯定的に捉えることが出来た。
「だからさ、俺はその両親を反面教師として杏奈とはとことんいちゃいちゃして、悔いがないまでにいちゃいちゃし倒してそれから子どもを持ちたいと思っているんだ」
「恭輔……」
「正直俺も杏奈もまだ若いじゃない。そんなに急いで持つものでもないと思うんだ、子どもって」
「……」
「そりゃ杏奈との子どもは欲しいからその時になったら俺、精一杯がんばるけど」
「……ふふっ」
「杏奈?」
「よかった……恭輔の気持ちが知れて」
「もしかして不安にさせていた?」
「少しだけね。でも恭輔は絶対子ども好きだから欲しくないとはいわないと思ったけれど」
「当たり前だよ! 俺、杏奈との子どもだったら何人でも欲しい! ──ただ、今はまだ子どもにすら杏奈を独占されるの我慢出来ない、から」
「うん……そうだね。それは私も同じ。恭輔を子どもに取られるの……嫌かも」
「杏奈……」
「だからまだしばらくはふたりの生活を楽しもうね」
「うん」
こういう話が出来たきっかけをくれた義母に心の中で感謝した。
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