第五章 衝撃のシンソウ

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再生される映像を観て絶句した。 (えっ、いきなり?!) 初めて観たAVはこれまた衝撃的のひと言だった。ほんの数分、普通のやり取りがあってすぐに本番シーンが始まる。 最初、恭輔が歳上の女性家庭教師に組み敷かれ襲われているけれど、すぐに恭輔の方が主導権を握り家庭教師を翻弄し始めた。 (……なんか……変なの) 画面の中の恭輔は今より少しあどけない雰囲気をしていて実年齢を知らなければ本当に中学生くらいの男の子が過激な行為をしているように見える。だけどそれ以上に── (恭輔、演技しているだけだ) 相手役の女性にしている行為はまさに濡れ場といえる官能的なシーンの連続なのに、時々アップになる恭輔の目には熱っぽさが感じられなかった。 (いつも私を抱く時のようなあのゾクゾクするような圧倒的な熱がここにはない) 実際それを目の当たりにしてようやく先刻恭輔がいった言葉の真意が理解出来た。 (シナリオ通りに淡々とこなしている) それは一種の作業的な意味の行為だった。愛の見え隠れする尊い行為じゃないと分かった時、停止ボタンを押した。 「ん、もういいの?」 「うん、もう充分」 「そう」 私の隣で全裸のまま水を飲んでいた恭輔のモノが自然と目に入った。だけどそれは熱を孕んで大きくはなっていなかった。 (AV観ても興奮したりしないんだ) そんな状態を見たら益々嬉しくなった。それと同時に湧き上がる探求心。
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