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思っていた以上にめちゃくちゃに愛された一夜が過ぎ、ふと瞼に光を感じて薄っすら目を開けた。
(あぁ……もう朝、なんだ)
夢みたいなシチュエーションに今まさに自分の身が置かれていると自覚するとほんのり裸の体が熱を孕んだ。
「……」
隣で健やかな寝顔を晒して眠っている恭輔にキュンキュンして仕方がない。
(何よぅ~~~この可愛い生き物っ)
一晩中繰り広げられた激しく濃厚な行為を私に与えた人物と同じとは思えないギャップにドキドキしっ放しだ。
(あぁ……好きだなぁ……すっごく凄く好き!)
思わずギュッと抱きしめた瞬間
「杏奈、誘ってる?」
「!」
つい先刻まで瞑っていた目は開かれ、私の顔を覗き込んでいた。
「朝から積極的だね」
「お、起きていたの?!」
「杏奈の胸の感触でね」
「……あ」
見れば押し付けていた私の胸が恭輔の体で形を変えていた。
「こんな柔らかくて気持ちいいの押し付けられたら……ほら」
「っ!」
そっと掴まれた腕がそのまま恭輔の下半身に運ばれ、いわれた意味が解るモノを握らされた。
「はぁ~~~幸せだなぁ」
「もう、朝から元気過ぎ」
「杏奈のせいだよ。俺は悪くない」
「あぁいえばこういう」
「何、朝から。出来ればおはようのキスとかしてもらえるともっと幸せなんだけどな」
少し寝ぼけた表情が可愛らしくてついいうことを訊いてしまう。
「おはよう、恭輔」
「ん、なんで頬?」
「だって寝起きだし……歯、磨いていないから」
「そんなの関係ないよ。杏奈は気にする?」
「……」
何故か恭輔に限ってはそういう些細なことが気にならなかった。だから引き寄せられるように軽く唇が触れ合うキスを交わした。
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