409人が本棚に入れています
本棚に追加
なんやかんやとイチャイチャな時間を過ごしてから時間的にはブランチとなった朝食の支度をした。
「おぉー、幸せの朝ご飯!」
「大袈裟だよ。単なるトーストでしょう」
「でもちゃんと目玉焼きもある! サラダもポテトも! 立派なブレックファースト」
「みんなコンビニ商品だけどね」
「贅沢はいわない。杏奈が一緒ならレンチンでもご馳走」
「もう、可愛いこと言うんだから」
「ん? 何?」
「なんでもない。今度はちゃんとした手料理振る舞うね」
「杏奈、料理得意なの?」
「まぁ……普通に。一応自活歴四年だから」
「そっか。俺も同じくらいだけど大して出来ないんだよね」
他愛のない話をしながらふたりで食べる何でもない朝食はとっても美味しかった。
(はぁぁぁ……幸せ)
ただ好きな人とふたりで過ごすだけでどうしてこんなに幸せなのだろうと思う。こんな幸せ、今までに味わったことがなかった。
(これ以上の幸せを望んじゃ駄目よね)
なんて考えていた私に恭輔から衝撃のひと言が発せられた。
「あ、そうだ。杏奈って今度の連休に何か予定ある?」
「特にないよ。恭輔と一緒に過ごせたらいいなと思っていたんだけど」
「じゃあさ、俺の実家に行かない?」
「…………は」
「両親に杏奈、紹介したいからさ、行こうよ」
「……」
(か、かかか、神様……)
あなたは私にどれ程の幸せと試練をお与えになるのですか───?!
最初のコメントを投稿しよう!