第六章 カレシの実家

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恭輔のお父さんを目にした時、52歳という年齢を訊いていてそれなりのイメージをしていたのだけれどそれが大きく裏切られたことに唖然とした。 「しっかし本当綺麗な娘さんだなぁ。こぉーんな可愛い娘が出来るのかぁ。僕は幸せ者だなぁ」 「お父さん、まだ決まった訳じゃないですからね。ほら、可愛い娘ならもうひとりいるでしょう?」 「おぉー、そうだった! 僕の可愛い真己子ちゃ~ん」 「ちょ、お父さん、お酒くさい! 近寄らないで!」 「娘がつれない……恭子さぁん~慰めて~」 「はいはい。今日は飲み過ぎですよ、お父さん」 (それにしても恭輔のお父さん、想像以上に恭輔に似ている) 恭輔のお父さんは見た目精々三十代くらいにしか見えない外見をしていた。恭輔のお母さんは綺麗だけれど年相応の風貌だったから、正直お父さんの方が歳下に見える程だった。 (って、これってまんま遺伝じゃないっ!) 恭輔の童顔の理由がお父さんを見たことによって理解出来た気がした。 (でも……背の高さは違うかな。お父さんは背が高くてちょっとだけ恭輔よりカッコいいんだけど) ぶっちゃけた言い方をすると、私にとっても充分恋愛対象の範囲に入ってしまう風貌だった。 (あぁ……恭輔のお母さんがお父さんのことを好きになる気持ち、解る気がする) 多分、恭輔のお母さんと私は好きな男性のタイプが似ているのだろう。
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