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第七章 付きまとうヒト
連休明けの最初の出勤日。
「これ静岡のお土産です」
「おぉー九重くん、実家静岡なの?」
「はい」
「おれの嫁さんの実家も静岡だよ。どの辺?」
「御殿場です」
「あぁ、あれだ。何とかってアウトレットモールがある処」
「近いですよ、実家からだと」
「いいねぇ」
恭輔が庶務課のみんなに帰省土産を渡しているのを遠目から眺めている。
(相変わらずお爺ちゃんと孫みたいな光景だな)
なんて思いながら微笑んでいると
「佐東さんもどうぞ。帰省土産です」
「あ、ありがとうございます。頂きます」
恭輔から銘菓を受け取った時、ふと指先が触れ思わず数秒見つめ合ってしまった。
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