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私の顔を覗き込んだ恭輔が何かに気が付いたようにゆっくりとその表情を変えた。
「あれ? 欲情しちゃった?」
「!」
その凄絶な色っぽさは毒だった。肉食獣が獲物を捕獲する瞬間のような恭輔の視線は私の体をより一層火照らせた。
「ははっ、とてもカラオケどころじゃないね」
「……ん」
「家まで──は、持ちそうにないか。かといってこんな処じゃ思いっきり出来ないね」
「……」
「ホテル、行こうか」
「っ」
耳元で囁かれた低い声に軽くイってしまいそうだった。
(はぁぁぁ~~~ダメ! 想像しただけで私ってば)
【悪い恭輔】と【ホテル】という単語だけで色んな妄想が頭の中を駆け巡り、私の中は恥ずかしい程に濡れそぼってしまっていた。
「大丈夫? 歩ける?」
「う、うん……」
恥ずかしさを押し殺して私たちはカラオケルームを後にした。
カラオケルームからさほど遠くない繁華街の中にあるラブホテルに入ってからすぐにベッドに押し倒され着衣を乱された。
恭輔の前で大きく広げられた脚の奥先をジッと見られて顔から火が出るほどに恥ずかしかった。
「今、綺麗にしてあげるね」
「ひゃっ」
濡れ切ってしまっている其処に恭輔の舌が滑る。そのあり得ない快楽に身悶えしてまともな声が出せなかった。
「杏奈、何も考えないで真っ白になっちゃってよ」
恭輔の言葉にほんの数十分前まで思い悩んでいたことが私の中から綺麗さっぱり無くなってしまっていた。
ただ今は恭輔から与えられる極上の快感が私の全てを支配して、されるがままの悦びを感じていたのだった。
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