オマケ

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オマケ

死んで…残念。 と思っていたら、また子猫に戻っていた! 「( 私、また猫ー!!はっ、そう言えば…猫には九つの命があるとか…何かで見た気が、ならば…会いに行かなくては!とりあえず…お腹いっぱい食べとこう )」 子猫になってるのことに気づいたのは、 前回と同じく生後1ヶ月頃。 沢山乳を飲んで、昼寝をして、新しいネコママの愛情をいっぱい貰って… いざ!譲渡!と言う時に、逃げ出した。 「 あ、マリアンヌ!!どこに行くの?!! 」 「( 私は…パパの…飼い猫なのだ!他の、人は知らない! )」 ここが何処か分からないけど、とにかくまずはあの家を抜け出さないとダメだと思って逃げた。 色々歩いて、猫型のロボットにも聞いた。 「 ミャッミャッ( ここはどこですか? )」 「 ミャーァ( ここはなぁー… )」 予想外にそんなに離れては居なかったけれど、距離にして20kmは… 子猫にとっては大冒険だった。 子供に触られまくったり、変な鳥に突っつかれたり、犬に追われたり…。 「 ミヤァー、ミヤァー!( お腹空いたぁー!もう無理ー!お家の場所忘れたー! )」 「 ヴォンヴォン! 」 「 シャー!!( うるさいワンコ!!あっちいけ! )」 ずっと食べてないし、お腹も空いたから動く気力無くて、高いところから見渡したら屋根が分かるかなって思ったけど…。 新しい家も増えてて無理だった。 あれから何年経過したのかも分からないまま、会いに来るのは間違いかも知れないと思った。 でも…、 もう一度…顔を見たかったんだ。 「 こんな、おじ…しゃん、しらないにゃい! 」 私が死んで悲しいのは分かるけど、だからって盛大にゲロ吐くぐらいに呑みまくっては、ビール腹に無精髭面で、髪の毛も伸びきってるホームレスみたいな男になってるとは思わなかった。 「 分かったから…。身なりを整えてくる。リク…部屋の掃除を、想羅…子猫用に作ってくれ 」 ゙畏まりましだ 「 はい、もちろんです 」 「 みゃっー! 」 相変わらず一瞬で綺麗になる部屋に驚くも、男性の姿をしてるクウの側にいこうとすれば、誰かに掴まれた。 「 ミャッ? 」 「 貴女も汚れを落としましょう。そして手当てだ 」 「 ミャァー!!( かえでー!離せー! )」 冷たい表情の楓だと分かれば、ご飯の前に私を連れて脱衣場の方に行き、洗面器に湯を溜めれば、其の中に座らせられた。 「 ミュゥ… 」 「 新しい家に行く選択肢もあったのに…我が主の元に来てくれたのですね。こんなに汚れて…沢山怪我もして、頑張りましたね 」 「 ミャッ……( ん……パパや皆に会いたかったから… )」 「 えぇ、ありがとうございます 」 もう少し、私の事を嫌ってるのかと思ったけど…。 全くそんな様子は無かった。 傷を気にして優しく洗ってくれるから、身体を任せて洗ってもらいながら、 背後にある鏡で、自分の姿を見れば切り傷ばかりだと思った。 「 お二人共、食生活の改善からですね。お薬、塗りますね 」 此れでは…美人のネコではないと落ち込むけれど、無表情ながらに楓の優しさに少しだけ嬉しく思う。 「 みゃーい 」 頭もしっかり洗って貰った後、コンパクトになった乾燥機に入って髪を乾かせば、服を着せられる。 「 残していた服のサイズがあってよかったです 」 「 みゃぁー!なちゅー! 」 懐かしい子供用の部屋着を着せられて、ちょっと両手を広げていれば、クウは微笑んだ。 「 料理が出来ましたよ。食べましょうか? 」 「 みゃー! 」 お腹空いてたからやっとご飯だと思って、駆け寄れば、何気無く楓にソファに座らせて貰う。 目の前には可愛いお皿に入った、粥のような物が置かれる。 「 サーモンの雑炊です。離乳食ですけど… 」 「 ミャーァ( こねこだから、仕方ない! )」 頂きますと両手を合わせていれば、楓は首にエプロンを着けてきた。 クウは隣に腰を掛け、容器を持ちスプーンで掬ってから息を吹きかけ、冷ました後に口へと運んできた。 「 みゃっ、うみゃうみゃ( あつっ、でも…うまうま… )」 クウの作る、何処か懐かしい味に声を出しながら喜んでいれば、身なりを整えた?パパが戻ってきた。 「 御前等…都合がいいな。ラナっぽい子が帰ってきた途端にその甘さか…亡くなった時は冷めてたくせに…… 」 姿を見るなりソファから下りて駆け寄れば、片手を伸ばし、腹へと触れる。 「 たぷ、たぷッ!?ぱぱ、ちがっ! 」 「 20kg増えたからな…。90kgだぜ?いい腹だろ? 」 「 みゅー…… 」 でぶぅ…と思うけれど、ボサボサの髪も綺麗に切られ、髭も剃って無くなった為にどこか見覚えるのある顔だと思いながら、下腹に顔を埋めたり、両手で叩く。 「 なぁ、ラナ…。俺の為に…もう一回来てくれたのか? 」 お相撲さんのようにしゃがみこんだパパは、そっと手を伸ばして頭を撫でてくれば、 酒の匂いがしなくなったその身体からは、爽やかで甘い香りがする。 懐かしくも思う匂いに…鼻先が痛くなって、 無意識に首へと抱き着いていた。 「 ふみゃぁー……うぁっ、ん……! 」 「 ラナ…会いに生きてくれてありがとう……。あの時は…守れなくて、本当にゴメンな… 」 貴方が生きてるだけでよかった…。 けれどまだ、その言葉は伝えられないから、今は子供のように泣きじゃくって抱き締めるしかなかった。 「 ラナ…。俺と一緒に居てくれるか? 」 「 ………… 」 泣き止んだ後にそっと身体を離して、顔と腹を見た後に眉を寄せていれば、彼はその場で両手を付き頭を下げた。 「 半年くれ……。痩せるから…。元の体重と体型に、必ず戻るから…。そしたら俺と、結婚してください 」 「 いっみゃ、に……がん、ばろ? 」 「…俺のダイエットに付き合ってくれるのか?ありがとうな、ラナ! 」 「 ミ゙ッ…… 」 「 あ、嬉しくってつい 」 正直そこまで気にしてないから、痩せなくてもいいのでは?とちょっと思ったけれど…。 パパは、頑張るといったから付き合うことにした。 それからは、ハードなダイエットをしたそう。 「 ミャーミァ、ミャーミァ、( さん、しー… )」 「 背中に乗ってくれるのはいいけど…。御前…軽過ぎて… 」 「「 じゃ、我々も 」」 「 おまっ、おまっ!!御前等は…kgじゃなくて…tだろ! 」」 何度か、クウや楓に潰されそうになりながら腕立て伏せをしたり…。 「 タイヤを引くのは分かるが、戦車を引く、ダイエット法なんて…ぜってぇねぇぇえ!! 」 「 み、なしぇー!ふぁいとー! 」 「 ファイトォォォオーー!ウォォォオ!! 」 「( 動く動く……この人ゴリラ?? )」 ロープ一本で戦車になったクウを引っ張る水無瀬がいたり。 「 動きが遅い!ほら、構えて 」 「 っ、もう一回! 」 楓とひたすら実戦のような戦闘を行って、身体を動かしまくったりと…。 出会った時はイビキがすごくて、何度口を塞いでやろうかな?って思ったけど…。 それも全く無くなった。 予定は半年だったのに…。 スパルタロボット達によるアホみたいなハードスケジュールのお陰で、 3ヶ月で22kg痩せたらしい。 「 やった、やったぞ、ラナ!!体脂肪率8%だ!! 」 「 まっちょー!おめでとー! 」 「 おぅ!ありがとうな!!結婚してくれ! 」 「 まだ!成猫じゃ、にゃい!! 」 別にマッチョじゃ無くていいけど…。 なんて、頑張った彼に申し訳ないから、 言うのは止めておいた。 そして、私が成猫になる頃に結婚したのは もう少し先の話…。 短いネコの人生、 貴方の側に何度でも居させてくださいな。
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