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「バナナウンコみてぇなツラした奴がいるじゃねぇか。朝から良い眺めだぜ」
どたどたと忙しなく二階から降りてきた喧しい三人組。通称``澄連トリオ``と俺が勝手に呼んでいるソイツらが、遅れてリビングの出入り口で屯する。
思い思いの言葉を言っていて聞くだけじゃ何言っているのか意味不明だが、とりあえず分かることはみんな久三男が背に侍らせている女アンドロイドに驚いているといったところだろう。
「おや、また私たちが最後のようですね」
「パァオング。何故いつも我らが一番遅いのだろうな」
「そ、それは朝から廊下で世間話……という名の議論をしてらっしゃるからでは……」
野太い機械音とともに、エレベータの鐘が鳴る。
地下よりぞろぞろと出てきたのは真っ黒な執事服を着こなし、モノクルを右目に装着した、朝日の光を飲み込むほどの暗澹な雰囲気を身に纏う怪しげな紳士と頭に金冠を載せた象のぬいぐるみ、そして相変わらず頭にパンツ、股間にパンツを装着した空色の髪の少年。
一人と一匹は平常運転だが、いつもはパンツパンツとうるさい少年の方は、一人と一匹に気圧されているのか、額の汗がパンツに若干染みている。ただでさえ気色悪いのに、汗が滲んだパンツを朝食前に見せられるのは正直不快だ。
「おはよう、あくのだいまおうにパオング」
「あれ、俺……いるんだけど……」
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