復活、テスカトリポール

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「お前はその頭に被ったパンツを脱げ。話はそれからだ」  挨拶をされ、思い思いの言葉で挨拶を返してくる怪しげな紳士―――あくのだいまおうと象のぬいぐるみ―――パオング。パンツを脱ぐよりも、挨拶されなくて拗ねる方を選んだのはミキティウスだ。  ミキティウスが口を尖らせながら席につくと同時、再びエレベータの鐘が鳴る。もう地下に私室を持っている奴はいないはずで、誰だろうと思っていると見覚えこそあれ、最近全然姿を見ていなかった奴がエレベータから姿を現した。 「オ久シブリデゴザイマス、皆様方。コノカオティック・ヴァズ、リビジョンスリートシテ復活ヲ果タシマシタ」 「おお、ヴァズ。マジで久しいな。息災だったか?」  目を丸くしながらも、久しぶりの友達に会ったかのようなテンションで問いかける。  カオティック・ヴァズも女アンドロイド同様、元々は久三男(くみお)が俺をぶっ殺すために差し向けた敵だったのだが、俺と久三男(くみお)が和解したことでコイツも味方として復活を果たした。以後は仲間という認識で扱っている。  そんなヴァズだが、コイツに関しては実を言うと二回戦死している。一度目は敵だった時代、俺が粉微塵に破壊。二度目は女アンドロイド戦において女アンドロイドとの戦いに敗北し、色々あって自沈していた。  女アンドロイド戦以降姿を見ていなかったのだが、久三男(くみお)からはあらかじめ復活していることだけは聞いていた。だから久三男(くみお)のラボターミナルあたりで何かしていたんだろうが、おそらくその何かってのは女アンドロイドの修理協力だろう。女アンドロイドも見事復活を果たした今、ヴァズもまた通常復帰というわけだ。
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