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流石の俺でも物理的な意味で一緒の飯を食えないからという理由で無礼だとは毛程も思っていない。御玲の飯が不味くて食えたもんじゃねぇとかそんなクソみたいな理由ならともかく、ロボットなんだから仕方のないことだし、跪いて自分の強みをわざわざアピールしなくても、それは皆がわかっていることだ。実際、女アンドロイド戦のときは弥平並の活躍をしてくれたし、無能だと思ったことは一度もない。
そこまで畏まる必要はないのだが、外面上は主人と部下って立ち位置、久三男に造られた存在という自覚がある以上、俺のことを目上の存在として敬うのは無理もない対応なのかもしれない。
俺としてはロボットだろうが生身だろうが仲間という認識なので、一緒に会話できて、一緒に戦ってくれるだけでも嬉しい限りなのだが。
「さて、弥平さま以外は集まりましたね。早速朝食……といってももう昼ですが、さっさと食べてしまいましょう」
話がひと段落ついたところで、御玲が皆の背を押してくる。時計を見ると既に十二時も半分を過ぎようとしていた。時間経つの早えと思い、急いで飯に食らいつくが、そこで引っかかりを感じて御玲に視線を投げた。
「そういや弥平に密命を出してたが、返事きた?」
「調査しておく、とのことです」
唇に付いたソースを、テーブルに置いていたナプキンで静かに拭き取る。
昨日から一昨日にかけて行われた東支部での三支部合同任務。任務自体はつつがなく終わったのだが、何か違和感を拭い去れなかった俺は、断腸の思いで弥平を動かすことに決めたのだ。
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