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正直、言いたくなかった。できるなら最後の最後まで無視したかった。でもできるわけもない。やっぱり人間たるもの、隠すべきものは隠していないと落ち着かない。
かくいう俺も布団から出る前はズボンとパンツが何故だか強制的に剥がされていたが、コイツの場合は違う。自ら下半身を晒し、股間についているそれを周囲に見せつけているのである。黒髪と金髪のメッシュが特徴的な少女は、無い胸を得意げに張り、股間についているそれを誇張するように揺らして鼻の下を伸ばしていた。
やれやれ、と呟き肩を竦める。
「ボクのイチモツは西支部公式だからね! むしろ朝から拝めると良いことがあるって噂になってるくらいだよ! ボクはこのまま、チ◯ポの巫女になるんだ!」
「やめろ、本職の方に失礼だ。そんな肩書きの巫女、不名誉すぎるだろうが。それにお前、男だろ……」
額に手を当てながら、嫌がる少女に無理矢理パンツを履かせる。
目の前のコイツをずっと少女と言っていたが、それはあくまで外見の話である。無駄な肉付きが全くない、しかしながら太腿あたりに丁度いい贅肉がのった長い脚と、到底男と思えないほどに細いウエスト、美少女と呼ぶには不可欠な、細い腕にしなやかな指。
これだけの特徴を挙げれば女だと思うかもしれないが、彼女、いや彼の腹は割れていた。異性には似つかわしくない腹筋が、これでもかと己の存在を主張しウエストの細さから醸し出される女らしさを掻き消している。
そして彼女を彼と呼ぶに足りる決め手となるのは、彼の股間についているソレだ。
カーテンの隙間からあふれる朝日に照らされ、赤味帯びた部分が美しく輝く肉の棒が、股関から堂々とぶら下がっている。その存在こそが、彼を肉体的に男であると力強く主張していた。
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