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「やだー!! トランクスやだー!! 女物がいいー!!」
「ねーよ、あったとして入りきらねーだろお前のソレは」
「入るよ? 横に折り曲げれば」
「明らか不自然だろ……」
「えー、それがいいんじゃんかー! 結構評判良いんだけどなー……」
「だからこそダメなんだよ、寄ってくる奴ら一々振り切んの大変なんだぞ」
「んー、そうだけどぉ……ジークのトランクスきゅーくつなんだもん……」
口を尖らせそっぽを向く男の子ならぬ男の娘。それを聞いて、俺の中の男の部分とずきりと痛んだ。
男の癖にトランクスを履きたがらないコイツ―――ブリュンヒルトは見た目こそ齢十四、五程度の少女だが、股間についているソレの存在感たるや、並の成人男性を遥かに凌ぐ業物だ。通常時で既にそこらの男の本気モードのサイズと同じかそれ以上なのだから、今年で十八になる俺の立場がない。この支部内には、自分のコイツとの圧倒的サイズ差に興奮する輩が一部いるのだが、俺には全く理解できない境地だ。
俺の生まれ持っている感覚が、何の変哲もない普通の感覚だと信じたい。
「やれやれ……」
苦闘すること数十分、ようやく男らしい服を着てくれたので、これで朝飯にありつける。
どうして起きがけにコイツの世話なんざしなきゃならないのかという気怠さがのしかかるが、毎朝俺の部屋に侵入してくるのだから、起きてから今までの流れを俺がやらないといけないのは必然だろう。全く、本当にやれやれである。
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