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純太朗さんは私の大事な彼氏。
おおらかで温かくて、いつも泣き言ばかり言っている私を優しく包み込んでくれる、とっても素敵な恋人なのだ。
そう、それは私の一目惚れだった。
多くの人でザワザワと賑わう会場の中、そこだけ空気の色が違って見えた。
黒と茶色をした毛がLEDの明かりを優しく返していて、吸い込まれそうな輝きをもつブラウンの瞳は物憂げに遠くに向けられている。
周りの騒々しさには目もくれず、凛として佇む彼の姿に、私は一瞬で心奪われた。
けれど私は信じてる。
彼の美しい瞳がふいっとこちらに向けられ、私のそれとかち合った瞬間、私達は同時に恋に落ちたのだと。
アスファルトを踏みしめる音が、辺りに小さく響く。
ただ二人で歩くだけのデート。
でも、純太朗さんの息づかいが隣から聞こえてくるだけで、私の心は穏やかに満たされるのだ。
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