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それ以来、奈月は家永とよく話すようになる。彼は「やめろ! アッキーの顔でう●ことか言うな!」と言われて、重ねてんのかコイツ。と呆れてしまうと思えば、アッキーに似てるってんで外歩きづらい。と愚痴を零すと「お前はお前のツラでお前の個性があんだから、お前のままでいいんだよ」と、推しメン手作りうちわを作りながら言われて。そのうちわの中のアッキーを見ていて複雑に思ったが、そう言ってくれるなら。ということで、なんだか照れ臭くなり。
「家永っていいやつだったんだね」
心が溢れそうになることを押さえつつ言うと。
「今さらだろ」
なんてぶっきらぼうに返されて。アッキーが好きで仕方ないのに、自分を一人の同級生として見てくれようとして。見てくれて。そして、自分の趣味や好みには妥協をしない姿勢が、とても良いと感じたのだ。
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