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後書きというか思いの丈を投げさせてください
2023年秋。
突如降って湧いた「イケメンに躾けられる、ぐうたらな女主人公を見たい」という漠然とした欲望から、この物語は生まれました。
この欲望に沿ってアイディアを活かしたなら、レーティングありの恋愛ファンタジー行きだったと思います。ええ、一度はそれも考えましたとも。
紳士とドSの二面性を持ったイケメンが、跳ねっ返りの女主人公を色々な意味で躾けてくれる「きゃっ♡」な物語。
でもその時の私はラブコメ一本書いた後で、食傷気味で……「ラブラブいちゃいちゃはしばらく書きたくない期」に突入していたのです。
既にエファリューとアルクェスのだいたいのキャラクターはできていて、どうしてもこの二人を主人公に書きたいという思いはあったので、漠然とした欲は序盤に落とし込み、あとはいつも通り人間くさいファンタジーを書くことにしました。
まず、初っ端で借金踏み倒して夜逃げする女主人公ってどうなのよ!? こんな人間性の主人公についてきてくれる人いるの?
……という不安から始まりました。
じゃあこの物語はどこに向かうべき?と自問自答し、ただ主人公がぐうたらして、何事にもブレずに突き進むコメディよりも、ぐうたらしたいのに頑張っちゃう。根は真面目なエファリューを書こう、と過去やら呪いやらのエピソードを膨らませていきました。
結果として、エファリューは可愛いダメ人間に落ち着いてくれたんではないかと思ってます。
そして恋愛は書きたくないよ〜と言いつつも、ロマンチックな展開は欲しくて、エファリューとアルクェスは本編内では付かず離れず、でも想像の余地を残す関係にしようと思って、距離を詰めていました。
(わりとエファリューは最初からアルを意識してはいるんですよね、面食いなので。惹かれながらも時々「こいつヤバいな」って引いては目を醒ましてる感じです笑)
親を求める人恋しさからの触れ合いから、だんだんとアルだから甘えるようになっています。それに対し、アルは鈍感で頭が堅いので全く気付きもしませんけれど、だんだんエファリューに優しくはなっていたかと。
悩みに悩んだのは、三章〜四章でのキスシーンです
これは私の中にある「御伽話において呪いを解くのは姫(または王子)の口づけである」というセオリーから入れたかった要素ですが、
エファリューたちがキスするのを読み手様は見たくないのでは……という不安が強かったです
悩んだ末に入れましたが……求められてなかったら本当にすみませんです( ꈨຶ ˙̫̮ ꈨຶ )
二人の関係は惹かれ合いながらも、明確には何も進展しないまま、本編は終わりました。
続編を書く予定は今のところありませんが、二人の関係を含め、この世界の今後や、こういう展開もありかなあという構想を次の頁に纏めてみました。
よろしければご覧ください。
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