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それから暫く後、慎太郎は晴れて父に認められ、若旦那として店を取り仕切るようになった。
奉公人達からも信頼され、立派な商人になった彼は、すっかり看板娘となったリンとの祝言を挙げた。
誰が広めたのやら、白狐に育てられた娘としてリンは人々から縁起を担がれるようになっており、そんな彼女の晴れ姿を一目見ようと町の通りは大賑わい。
ごった返す店前にて、立派な番犬となった雪丸は何事かと右往左往。
慎太郎に手を引かれ、笑みを零すリンは呉服屋の嫁に相応しい見事な色打ち掛けを纏っていた。
その背には九尾の白狐の姿があり、二人の門出を祝うように天気雨の空には鮮やかな虹が掛かっていた。
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